社内報担当者も知っておきたい! 編集用語の基礎知識

社内報担当者の皆さん、こんにちは。社内報の編集業務をしていて「これってどういう意味?」と思うような言葉に出会ったこと、ありませんか。業界の数だけ業界用語があると思いますが、それは編集業界でも同じ。今回のブログでは、社内報の制作にも役立つと思われる編集用語をピックアップしました。使いこなせるようになると、社内報の制作もより効率的に、よりクリエイティブに進められるかもしれません。

 


●あ行

赤入れ(あかいれ)
修正や校正の指示を入れること。校正紙などに赤ペンで修正指示を書き込むことが多いため、こう呼ばれています。最近は校正紙のPDFデータにスタイラスペンで入れる方もいるようですが、その場合もペンの色は赤がおすすめです。なお、ビジネスの現場でよく使われるワードの校閲機能は、編集の場面ではほぼ使いません。

アタリ画像(あたりがぞう)
誌面をデザインするときに、一時的に入れておく仮の画像やイラストのこと。まだできあがっていない画像やイラストの代わりにフリー画像などを入れて位置やサイズを大まかに決め、調整しておきます。本画像が上がってきたら差し替えることをお忘れなく。

色校正(いろこうせい)
製版(印刷前の完成段階)後の試し刷りの状態で、色のチェックをすること。印刷所ではインクを調整して色をつくるため、写真などの実物と色が異なってしまうことがあります。ビジュアルのクオリティを重視する場合は色校正をすることをおすすめします。

奥付(おくづけ)
書籍や雑誌の場合、最後のページに書名、発行年月日と版数(第3刷発行など)、著者名、発行者名(出版社名)などを記載します。出版物に対する責任を明確に示すための重要な部分ですが義務ではないので、社内報の場合は入れなくてもOK。誰がいつ作ったものかなどが明確になるので、社内報への信頼感が高まるというメリットがあります。


●か行

カクハン
切り抜かずに四角形のまま紙面に使う写真のことを角版写真といいますが、その短縮形。カメラマンに指示するときは「この写真はカクハンで使いたいから、少し引き気味に撮影してください」などと指示します。背景が入るので、動きのある写真や、その場の空気感が感じられる写真、臨場感のある写真が撮れます。

 

囲み記事(かこみきじ)
本文と関連するコラムなどの記事。本文を補足したり、違う視点で説明したりして、内容に深みを持たせることができます。

カンプ
英語のcomprehensive layout(コンプリンヘンシブ・レイアウト)の略で、レイアウトデザインの仕上がりを具体的に示すために作る完成見本のこと。「デザインカンプ」「モックアップ」と呼ばれることもあります。プレゼンの場などで、具体的な仕上がりイメージを共有する必要があるときなどに作成します。

キャプション
英語のcaptionから、写真やイラスト、図版などを説明する短い文章のことを指します。写真の示す内容やそれに付帯する情報、意図を伝えることができます。キャプションと本文は、視覚的に区別できるようにフォントやサイズ、字間などを変える必要があります。

キリヌキ
人物や商品などを背景から切り抜いた写真のこと。うまく使うと、誌面に動きが出て楽しい紙面になります。白い壁などすっきりとした背景で撮影すると、きれいに切り抜くことができます。

カメラマンに指示するときは「キリヌキで全身を使いたいので、全身を入れるように撮影してください」などと指示しましょう。

 

ゲラ
ゲラとは本来、ゲラ刷り=校正紙のこと。英語ではgalley proof(ギャリープルーフ)といって、活版印刷の時代に組み終えた版を入れておく木製の箱のことを指していたそうです。現在では原稿をレイアウトに落とし込んだ段階のものをいい、紙だけではなくPDFデータのこともまとめてゲラと呼ぶこともあります。


●さ行

初校、再校(しょこう、さいこう)
初校とは最初の校正作業、もしくは初稿をもとに作成された最初のレイアウトデザインのことを言います。再校は二度目の校正作業のことですが、初校で指示された部分を修正した校正紙そのものを指す場合もあります。以降、三校、四校と数字が増えていきます。

責了(せきりょう)
最後の校正を制作会社や印刷会社に任せる「責任校了」のこと。納期が迫っているときなどに「責了で進めてください」と指示すると、少し修正箇所があったとしても最終確認をすることなく印刷入稿へと進んでいきます。

図版(ずはん)
記事の内容に連動するデータや統計表。資料の出どころや最新の内容かどうかなど、事前の確認が必要になることがあります。


●た行

縦位置、横位置(たていち、よこいち)
写真撮影のときに、紙面レイアウトや撮りたいイメージに合わせて縦長・横長かの指定をします。縦位置のメリットは、高さが表現できる、主題が明確になる点。横位置の場合は、視野の広がりが出せる、多くの情報を伝えることができます。

トルツメ
「文字を削除して、その分のスペースを詰める」という意味の校正用語。文字を削除しても詰めないでスペースが空いたままにする場合は「トルママ」と指示します。なお、修正指示を出したもののやはり修正しないという場合は「イキママ」「イキ」と書きます。


●な行

ノンブル
ページ番号のことを、紙媒体では「ノンブル」と呼びます。


●ら行

ラフ(ラフレイアウト)
レイアウトデザインのための設計図(指示書)のこと。文章の流れや展開を考えながら、本文、見出し、リード、写真、イラスト、図版などの要素を配置します。おおよその文字数はこの段階で出して、ライターに指示します。現場によってはサムネ(サムネイル)と呼ぶことがあります。


業界用語は正しく使うことで、特定業界の人たちと共通認識をもちやすくなるのがメリットのひとつ。制作会社やカメラマンなどと打ち合わせをするときなどに、相手が何を言っているかが理解できるとストレスが少なくなりますね。恥ずかしがらずに、積極的に使ってみてください。

 

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<ディレクター西田
会社に若いスタッフが増えてきました。若い子たちの会話についていけるように、今どきの知識を詰め込もうと大学生の娘に頑張って話しかけていますが、その度に「そんなことも知らないの!?」と怒られてばかりいます…共通の言葉を持つことは、コミュニケーションの基本中の基本ですね。