同じ文字量や図版を使用しても誌面の印象はレイアウトで可読性は大きく変化します。
今回は、社内報におけるレイアウトの 基本的な考え方についてご紹介します。誌面制作の参考にしてみてください。
目の流れを意識する
まず、読者が社内報を開いたとき、どのように目を進めていくかを考えてみましょう。
縦書きと横書きの目の流れ方の違い
日本語の場合、
縦書きなら右上から左下へ。
横書きなら左上から右下へ。
この大原則は理解しておきましょう。
また素材別なら誌面を一覧した際、写真→見出し→原稿の順で認識していくと言われています。その上でポイントとなる原稿と写真の配置を考え、共通記事の素材が離れないようにします。
誌面大きい場合は一つの記事が終わったあと、次の記事のはじまる場所が遠くならないような工夫も必要です。社内報のような媒体の場合、文字を目で追う目が切れてしまった場合、そのまま読むことを終了してしまうケースも多いからです。
規則性と不規則性
誌面のレイアウトパターンはさまざまですが、ある程度以上文字量がある場合は文字を整然と並べ高さや大きさを揃えると読みやすさにつながると言われています。そうした規則性の中で、見出しや写真の位置を少しずらしたりすると、大きさを変えなくても強調表現になります。
メリハリも同様で、強調したい箇所がある場合には、その他の箇所を色や大きさ、規則性を考慮し、あまり目立たせない工夫を凝らすと誌面にメリハリが生まれます。記事の優先順位をよく考えた上でレイアウトすることが大切です。
余白
もしも誌面に余白がほとんどなかったら、読者はどう見えるでしょうか。
文字や写真が誌面一杯に埋め尽くされていたら相当読みにくいですよね。文字を読んでもらうためにも余白は最低限とりましょう。逆に大きな余白に素材が1点だけ配置されていれば、緊張感のある誌面を演出できます。
「余白」はセンスと言う言葉もありますが、適度な余白は読者の読みやすさを助けます。自主制作する場合の社内報では、とかく情報量を詰め込みたくなってしまいがちですが、時と場合によっては原稿を多少リライトして分量調整してでも余白をとるよう心掛けたいものです。
目的は原稿を“載せること”ではなく“読んでもらうこと”という観点を忘れずに。
写真について
複数枚ある写真がある場合は、規則性をもたすと、落ち着いた“座りの良い”誌面になります。
社内報における写真レイアウトのポイント
・肌色や赤目の補正にも気を配る。
・集合写真は基本的に大きくあつかう。
・組み合わせ、向きをよく考える。
・キャプションも一工夫。
・トリミング(写真の切り方)を工夫して誌面に動きをだす。
今回ご紹介させていただいた考え方を基本に、伝えたい内容にあったレイアウトを心掛けましょう。
【執筆者】デザイナー 神谷