社内報制作担当の皆さんは、著作物の利用に関してきちんと理解していますか?「社内だけの配布だから大丈夫でしょう」と思うことなかれ! 著作物の複製が許されるのは、個人か家庭内における「私的使用」の場合など、限定的な場面に限られます。
社内報とは、会社の看板を背負った、いわば企業が公式に発行する媒体です。無断で著作物を転載してしまうと著作権侵害となり、会社の信頼を落としてしまうことになりかねません。そこで今回は、やってしまいがちな著作物利用の違反例についてご紹介します。
■インターネット上の写真を転載
インターネット上で公開している写真は著作物に当たり、無断で利用することは著作権侵害となってしまいます。
利用したい場合は、利用可能なさまざまなジャンルのイラストや写真を取りそろえたサイトからダウンロードして利用しましょう。無料で使用できるものや、有料で使用できるものなどさまざまです。利用の際には利用規約をしっかりと読み、規約外の利用をしないよう注意しましょう。
■書籍の表紙やブルーレイジャケットを転載
「お気に入りの本や映画などの紹介がしたい」からと、書籍の表紙、ブルーレイジャケットを無断で利用することは著作権侵害となってしまいます。
出版社や映画の権利を有する企業に連絡し、許諾を得てから使用するようにしましょう。書籍の表紙、ブルーレイジャケットをカメラで撮ったものを掲載するのも、著作物の転載となります。ただし、書籍を持った人物の写真は、あくまでもメインが人物であれば、著作物の利用とは見なされないため、掲載できます。
■アニメキャラクターのポスターを撮影して転載
「好きなアニメを紹介したい」からと、キャラクターのポスターを撮影して転載することは著作物の侵害となってしまいます。出版社やアニメの権利を有する企業に連絡し、許諾を得てから使用するようにしましょう。
ただし、テーマパークなどで撮影したキャラクターの着ぐるみと社員とのツーショット写真は、著作物の利用とは見なされないため、掲載できます。
■新聞記事を転載
新聞記事も著作物であるため、無断で転載することはできません。記事や、記事の写真を転載したい場合は新聞社に許諾を得るようにしましょう。利用目的や部数、配布対象によって利用料が変わります。
いかがでしょうか。
利用申請から許諾まで時間がかかる場合があるので、余裕を持った制作スケジュールにすると安心です。
社内報制作の際には「会社の看板を背負った制作物を作る」という意識を持ち、著作物の取り扱いには十分注意しましょう。
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執筆者:ディレクター 大原
パブリックドメインとなった地元の古い写真を見るのが好きです。