文章を「原稿」にランクアップさせるには

社内報担当者の皆様、こんにちは。

情報を伝える際、もっとも基本となるのが文章(テキスト)です。社内報では奇をてらった文章を書く必要はなく、読みやすくわかりやすいことが重要。しかし、文章がただ書いてあるだけでは「原稿」にはなりません。文章を原稿にランクアップさせるためには「執筆→編集→校正」という手順を踏む必要があります。そのやり方の一例を紹介します。

1、 伝えたいことをまずは書き出す

文章を原稿にするときは、まず誌面の構成図である「ラフレイアウト」を作成し、「タイトル」「リード文」「大見出し」「小見出し」「本文」「写真説明」などの要素を、どのように配置するのかを決めるところから入ります。

しかし、プロの編集者やライターでない限り、いきなりラフレイアウトをつくるのは難しいもの。まずは、誌面で何を伝えたいのかを考え、書き出すところから始めてみましょう。

例えば、新しい営業所ができたことを全社員に伝える記事をつくる場合、「〇月〇日、△△に新営業所が誕生しました」という文章になると思います。これが最も伝えたいことになります。
その次に伝えたいことは、おそらく営業所はどんな機能をもち、どんな役割を果たすことが会社から期待されているのか、ということになるでしょう。だから、それを文章化します。

その次に伝えたいことは何でしょうか。営業所開きの神事、クライアントから贈られた祝い花、営業所のロケーションやアクセス、オフィス設備やインテリアなど、いろいろな要素が出てきますね。まわりの飲食店の充実度も伝えたいことに入ってくるかもしれません。

多少文章的におかしくても、伝えたいことを漏らすことなくすべて書き出してみましょう。

 

2、書き出した文章を整理する

次は、書き出した文章を本文として整理していきます。

5W1H(When:いつ、Where:どこで、Who:誰が、What:何を、Whom:誰に、How:どうやって)は、文章をつくるときの基本的なマナー。すべてを網羅する必要はありませんが、意識して書くようにすることで文章力が鍛えられます。

なお、文章はある程度のまとまりごとに段落分けをしましょう。あまり長い段落になるときは、2つの段落に分けるなど、読みやすさを意識して整理していきます。

3、構成や展開を工夫して編集

本文が整ってきたら、その中でとくに強調したいことは「大見出し」にしてみましょう。そして、段落ごとに「小見出し」を入れていくと、ぐっと読みやすくなります。慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、その段落のなかでいちばん言いたいことや強調したいことを簡潔にまとめればOK。

また、本文の流れから外れてしまった内容は別項にしたり、今回はコンテンツから外すなど、構成や展開を工夫していきます。さらに、写真があれば写真の説明文も加えます。

プロであれば、この段階で改めて「ラフレイアウト」を作成し、全体のバランスや文章量を整えていくこともあります。これが、いわゆる編集作業。なお、ラフレイアウトの書き方については、こちらを参考にしてみてください。

 

4、用語の表記や誤字脱字をチェック

書いた文章は、漢字や送りがな、カタカナやひらがな、数字や記号の使い方などの用語表記ルールを決め、それにそって校正していく必要があります。例えば「様々な」と「さまざまな」、「WEB」と「Web」、「ビューティ」と「ビューティー」など、用語の表記は統一してください。接続詞や接続語の使い過ぎ、過剰敬語なども文章を分かりにくくする要因になるので気を付けたいもの。

また「ら抜き表現」や「い抜き表現」、間違いやすい言葉、差別用語や禁止用語などへの注意も必要です。これらは内容の信頼性にも関わってきますので、複数人でしっかり確認するようにしましょう。

 

 

<関連記事>

原稿を整理して読みやすい誌面にしよう!

社内報の原稿作成テクニック

 


<ディレクター西田
書いた原稿は必ず出力して、読み返してみてください。画面上ではちゃんと書いたつもりでいても、出力したものを読むと文章がまどろっこしかったり、誤字脱字があったりと、いろいろな不備が見えてきます。読むたびにおかしなところが見つかって、その都度直しては出力してしまうことも…