社内報担当者の皆さん、こんにちは。
社内報に掲載する写真を撮影する際、皆さんはどのように準備を行っていますか。
社内だから行き当たりばったり、撮影できる人をできるタイミングで…という方はもちろんいないと思いますが、多くの人を巻き込むような撮影をする場合、事前にしっかりとした準備が必要になります。
撮影に向けた準備の段階では、誌面ラフや撮影ラフを作成し、社内報に出ていただく社員や関係者へ協力を依頼し、カメラマンなどの外部スタッフが必要であればその手配をし、日程を調整して撮影スケジュールを組んでいきます。しかし、撮影させていただく人数が多かったり、撮影場所の移動があったり、要求するカットのシーンが多岐に渡る場合、単に撮影スケジュール表があるだけでは全体の進行を管理することが難しくなります。
誰のどんなカットをどのタイミングで撮るか、どんなポーズをしてもらうか、などの点が関係者間でしっかり共有できていないと、狙い通りの写真は撮れません。また、現場でのカメラマンやご自身の負担が増えることはもちろん、協力していただく方に多大な迷惑がかかってしまいます。
そのような事態を避けるには、撮影に関する情報を「香盤表(こうばんひょう)」というドキュメントにまとめておくことをおすすめします。これは、当日の撮影時間と進行、出ていただく方の名前、撮影場所、使う小道具、撮影ラフや撮りたいイメージなど、撮影に必要な情報をまとめた表のことをいいます。
ところで、社内報では社長や役員など経営陣の撮影を行うことも多いですね。その場合、一般社員よりも時間の融通が利きづらいケースが多く、限られた時間内に必要なカットを確実に撮る必要性がぐんと高くなります。その際にも、香盤表が非常に役に立ちます。
下記は「社長・役員のメッセージに添えるポートレート」および「社長・役員での表紙写真」をプロのカメラマンに撮影してもらうことを想定した、香盤表のサンプルです。
香盤表作成のポイント
・撮影される側の予定優先でスケジュールを組む
まずは、社長や役員の予定を優先して、撮影スケジュールを組んでいきます。集合写真の場合は、全員が揃う時間で調整することになるので、参加可能な時間と、どうしても参加できない時間の両方を事前に確認し、調整しておきましょう。また、やむをえない都合が発生して、どうしても集合写真に参加できない方が出た場合、どのように対応するのかをあらかじめ確認しておくとベストです。
・撮影場所の移動やカメラの準備時間も考慮する
社長のポートレートのみ、集合写真とは別の場所で撮影するなど、移動が発生する場合はその時間もしっかりと組み込みましょう。また、移動に伴ってカメラマンは機材をセッティングし直す必要がありますし、ヘアメイクやネクタイなどの衣装チェンジが必要になる場合もあります。それらの時間も含めたスケジュールで香盤表を作成しておくことで、経営陣を無駄に急がせるなどの事態を招かないようにしましょう。
・ポーズで迷わないようにサンプルも入れておく
撮りたいポーズがあれば、香盤表には撮影ラフに加えてポーズのサンプル写真やイラストを入れておきましょう。撮影に慣れていない人は、急にカメラの前に立たされてもどんなポーズをしたらいいかわからないものです。ポーズのサンプルがあれば、カメラマンもポーズを伝えやすく、撮影される方もサンプルを参考にできるので安心します。当たり前ですが、カメラマンをはじめ関係者には事前に香盤表を渡しておき、当日の流れと撮影イメージをしっかりと共有しておきましょう。
・「5W1H」を簡潔に示す
上記のような内容を踏まえ、香盤表には「いつ(=撮影時間)」「どこで(=撮影場所)」「誰が(=撮影される社員)」「何を(=ポートレート/インタビューカットなど写真の内容)」「なぜ(=どのページ・企画で使用するのか)」「どのように(=撮影イメージ)」などの5W1Hを一覧できるように明記します。撮影する側・される側ともに不明点がかなり少なくなり、当日は不安なく撮影に臨むことができます。
なお、香盤表には出ていただく方の名前に加えて、部署名や役職名も入れておくと現場で非常に役立ちます。その方ごとに、入り時間と撮影にかかるおおよその時間、終了予定時間などもしっかり表に反映しておくといいでしょう。
香盤表があると撮影当日の進行がスムーズになり、イメージ通りの撮影がしやすくなります。スムーズな撮影は写真の仕上がりのクオリティに結び付きます。クオリティの高い写真は、社内報自体のクオリティもぐっと引き上げてくれます。経営トップからの社内報制作への理解が深まり、社内報を活用しようというモチベーションを高められるかもしれません。
社内報の撮影だからと手を抜くことなく、香盤表を作成して万全の状態で撮影に臨むことで、社内報のランクアップへとつなげていきましょう。
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