そのレイアウト、読みにくくなっているかも

社内報担当者様が誌面を制作する際に、雑誌のレイアウトを参考にされることは多いかと思います。実は、商業誌の多くは媒体ごとにレイアウトのルールが設定されており、そのルールに則っているから“読みやすさ”が担保されています。一方で、誌面レイアウトには破ってはいけないルールもあり、そのルールを破ってしまうと記事の読み間違いを起こしやすくなったり、読者が読み進めることが困難なレイアウトになってしまいます。今回は、知らず知らずの内にタブーを犯してしまわないようにレイアウトのNGルールをご紹介します。

 

NGなレイアウト

飛び降り

人の視線は「Zの法則」で進むと言われていて、基本的に横書きは左上から右下へ目線が流れていきます。最初の段から読み進んで行の最後までたどり着くと、次に右上へ目線が向かい次の段へと移動していくという習慣が身についています。文字だらけの誌面にならないように写真やグラフを配置することが多いと思いますが、目の流れに逆らった位置に置いてしまうと、読みにくいレイアウトになってしまいます。

こちらのレイアウトを例に考えてみましょう。一見綺麗に整えられているように見えますが、左上の段からグラフまで読み進めた後、次の段が左上の段より下側に配置されています。これでは、目線が右下に向かってしまい、話の流れを遮ってしまいます。このようなレイアウトは「飛び降り」と呼ばれ、多くの媒体で禁止事項になっています。

 

グラフ横の段のはじめを、左上の段の最後の行より少し右上に配置すると、一気に読みやすくなりました。

 

煙突

「煙突って工場によくついているアレ?」とお考えになった方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらもデザイン用語です。見出しの配置の仕方にもルールが存在します。

上段、下段と見出しとテキストが続いています。見出しが上下で揃ってしまうと、同じ見出しが縦に並んでいるように錯覚し、どちらの段から読んだら良いかわからなくなってしまいます。

このように見出しの位置を上段と下段で揃わないように配置したことで、右上から左、右下へと目線を誘導できています。誤読を防ぐことはもちろん、誌面の仕上がりも美しくなっています。

 

レイアウトのNG例は今回ご紹介した以外にもたくさんあり、奥が深いテーマです。読みやすさを意識して誌面をデザインすると、質の高い社内報に近づきます。広報担当者として、誌面をブラッシュアップしていきましょう!

 

 

ディレクター:大野

秋が短くなり、冬服ばかり買ったせいで秋に着る服がないと毎年嘆いています。

〈関連記事〉

知っておきたい!レイアウトの基本の考え方