自己紹介企画は読まれる!
新入社員の自己紹介企画は、読まれる企画です。
新入社員にとっては自分を先輩社員に知ってもらうチャンス・アピールの場であるとともに自分が会社の一員になったと実感できる機会です。また先輩社員にとっては、これから一緒に働く新しい仲間を知る数少ない機会。業種や年齢関係なく「新入社員はどんな人なんだろう?」と誰もが気になるもの。中には名前を覚えるためにファイル保存しておくなんて強者の先輩もいるほど。紹介する側・される側のそれぞれのニーズが両立されている自己紹介は、間違いなく人気企画であると言ってよいでしょう。
さらに、社内報を制作する側にも大きなメリットがあります。
読者人気企画を掲載すれば、社内報全体の活性化につながりますし、トップメッセージや業務報告など、本来社内報で伝えるべき内容を読んでもらえる可能性を高めることができます。つまり、自己紹介記事は、紹介する側も、される側も、また社内報制作側にもメリットがある企画です。もし新社員の紹介企画がないのであれば、これを機会にぜひ検討してみては?
自己紹介が持つ役割
自己紹介企画は実はさまざまな役割を持っています。
・社内コミュニケーションの活性化(新入社員が会社に溶け込みやすい環境づくり)
・新入社員に会社の一員となる実感を与える
・新入社員のやる気アピールの場(仕事への決意表明など)
などが挙げられますが、この中でも一般的に最も重要視されるのが社内コミュニケーションの活性化です。「同じ会社で働く仲間の顔や人となりが分かる」ということは、想像以上に会社への帰属意識を高めます。特に近年、従業員満足(ES)が顧客満足につながるといった考え方が定着し、社員がイキイキと働ける環境づくりの一環として社内報で社内コミュニケーションの活性化に取り組む傾向が強くなっています。
人となりが伝わる自己紹介は、社内コミュニケーションの活性化が期待できる
自己紹介の企画目的を社内コミュニケーションの活性化とするならば、いかに顔と名前以外の付属情報(=人となり)を伝えられるかにかかっています。
例を挙げて、社員の人となりが分かる自己紹介と、そうでない自己紹介を比べ、その違いを見てみましょう。
例1)
「○○部に配属となりましたエンカウント太郎です。一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします」
このコメントを掲載しても、新しいコミュニケーションは生まれる可能性は低いです。そもそも印象に残りません。
こちらはいかがでしょうか?
例2)
「○○部に配属になりましたエンカウント太郎です。学生時代は○○科を専攻していました。趣味はマラソンです。社内でスポーツを一緒にできる仲間をつくりたいと思っていますので、ぜひ気軽に声を掛けてくださいね。 マラソンで鍛えた根性で、仕事に精一杯頑取り組みますので、ご指導よろしくお願いします!」
この自己紹介なら、自分の得意分野、趣味、さらに人となりも伝えられます。これを読んだスポーツ好きの先輩に社内同好会に誘われるかもしれませんし、根性がありそうだと感じた上司に、仕事を任される可能性もあります。
このように、その人となりを伝えることは社内で新しいコミュニケーションを生む可能性を高めることができます。
社内報担当者は、有意義な自己紹介を引き出す努力をするべき
先ほどご紹介したように、例1)と例2)では、社内コミュニケーションの活性化につながる可能性に大きな差が出ます。
しかし、誰もがいい自己紹介文を書ける訳ではありません。それぞれの性格の違いもありますし、文章が苦手な方もいらっしゃるかと思います。
社内報担当者は、社内コミュニケーションの活性化が企画目的である以上、新入社員全員が有意義な自己紹介を掲載できるようサポート・工夫する責任があります。
工夫の具体例としては、
まったくの自由記述では差が出やすいため、いくつかの質問事項をあらかじめ設定しておく。これはすでに主流化しています。社風や部署の雰囲気によっては、質問内容を変えてみる工夫もなされていますし、一人ひとりにインタビューを行った上で内容をピックアップしている企業もあります。
また、社内報の過去号を渡すのも親切です。過去のコメントを参考できますし、社内報の全体の雰囲気も伝わります。
こうした工夫を凝らし、少しでも新入社員が書きやすい環境を整えてあげることも社内報担当者の仕事だと言えます。面倒だと思われる方は、テンプレートを制作してしまえば簡単ですよ(関連記事・原稿収集テンプレートのススメ)
自己紹介の質問ネタ
先に紹介した、あらかじめ質問事項を設定しておくのは最もポピュラー方法。参考になる質問事項を分類してご紹介いたします。
■基本の質問ネタ
基本の質問事項も、関連内容を付属で質問すれば深堀りした質問に。
・出身地(関連質問:地元自慢はなんですか?)
・趣味(関連質問:趣味継続年数)
・特技(関連質問:実績など)
・出身大学(社風による)
・好きな食べ物(お勧めの店は?)
同じ出身地、同じ大学であるだけで自然と親近感が湧くものですよね。社員個人のバックグラウンドに触れることができれば、一気に親近感が湧きますよ。
■社会人としての理念・考え方を伝える質問ネタ
仕事に関わる質問をすることで、その人への仕事への考え方・理念の一端を垣間みることができます。その人の仕事への考えや理想を全く知らない状態より、より働きやすくなります。
・尊敬する人物(ビジネスパーソン/歴史上の人物)は誰ですか?
・入社後の目標は何ですか?
・座右の銘
■個人の人となりを伝える質問ネタ
・コレなら誰にも負けない!と思うことは何ですか?
・最近した失敗は?
・自分を四字熟語で表すなら?
・学生時代に頑張って取り組んだことは?
・人生で一番嬉しかったことはなんですか?
・あなたの青春の思い出を教えてください。
・海外渡航歴/一度は行ってみたい場所はどこですか?
■企業風土に則した質問ネタ
・あなたがこの会社でやってみたいことはなんですか?
・(食品メーカーの場合なら)→あなたが最近食べた「うまい!」食べ物は何ですか?(接客に携わる場合なら)→あなたが感動した接遇対応はなんですか?
・理念に絡めた質問(理念が顧客満足なら)→あなたが最近満足したサービスや商品は何ですか?
・この会社に入ってびっくりしたことは?
新入社員が執筆しやすい内容、社風なども加味して質問ネタを選択すれば、読者が楽しく読める自己紹介企画になりますよ!
新入社員の自己紹介文は謙虚である方が好まれる
新卒新入社員を紹介する場合、敬語を使えていないなどの社会人としてのマナーや礼儀を踏まえていない文章の場合もまれにあります。企画が原因で「常識がない」「最近の若い奴は…」なんて波風が立たないように、人となりを紹介しながらも最低限マナーを守っているかチェックしてあげましょう。
一般的に新入社員の自己紹介文は謙虚な方が好まれますので、先輩社員が好感を持ってみてもらえるかと言った視点でも助言をしてあげると、社内のコミュニケーションを活性化させるいい自己紹介企画になると思います。
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ディレクター 後藤
自己紹介企画が、新入社員と会社とのかけはしとなるためには、担当者の協力が必要不可欠です。