社内報は進化していく必要がある
社内報は発行してからがスタート。創刊してからが勝負です。どれだけ読者に読まれているか?どれだけ企業風土になじめているか? 期待していた効果は得られているか? それは社内報という定期発行物の性質上、流動的なものと言えるでしょう。
また、読者である社員それぞれのライフスタイルや価値観は多様化の一途をたどっています。会社の経営方針の変更もあるかもしれません。こうした動きを無視したまま社内報を同じ形式で発行し続けることは、それが企画意図でない限りターゲットと目的から乖離しかねません。
つまり社内報は時代や会社の状況によって進化していく必要があります。
「社内報の効果がイマイチ」「今発行している社内報は本当にこのままでいいの?」そう感じられている担当者さま、リニューアルの前にぜひ一度参考にしていただけたらと思います。
フェーズで考える社内報とは??
フェーズ(=段階)で考える社内報とは、発行目的を達成するまでの目指すべき立ち位置・役割を段階的に計画することです。
例を挙げて、フェーズで考える社内報とは何か?をご紹介していきます。
発行目的が、社員一人ひとりが経営に参加する経営者意識の醸成とした社内報があるとします。フェーズは以下のようなものを例として三段階で設定しました。
(例)社内報の浸透→社員の主体性を促進させる→経営者意識の醸成
第一段階では、まず社内報の浸透を目的としました。次に第二段階として、社員の主体性を促進させることを目標とし、第三段階で発行目的である経営者意識の醸成を目標としました。
このように発行目的を達成するためにどのような段階を踏めばいいか一度計画するしてみることをお勧めします。
計画的な意図を持った誌面構成と、意図のない単発企画を組み合わせた誌面構成では読者の反応に大きな差が出ます。またそれぞれのフェーズの目標を決定しておくことは、誌面全体に統一感を与え、読んでいる方も読みやすく、企画同士の相互作用も期待できるでしょう。
フェーズで考えることで、企画が立てやすくなる
フェーズごとの目標が明確になれば、それぞれの段階に適した企画を立てやすくなります。
先ほどご紹介したフェーズを利用して、仮想で企画の大枠を考えてみましょう。
フェーズ1:社内報の浸透
社内報の認知・浸透を優先するため、この段階では社員に伝えるべき内容ととに社員が興味を持ちやすいサポート企画やおもしろ企画、会社の愛社精神を育む企画などの比率を上げ、“社内報を読む習慣付け”を行なう。
フェーズ2:社員の主体性を促進させる
社員のモチベーションアップを図る“社員の頑張りを褒める”企画や、キラリと光る優秀社員の取り組みを紹介する企画などを取り入れ、社員の主体性の促進とモチベーションアップを図る。さらに既存の連載の視点を変えてみる、深堀りしてみるなど、一歩踏みこんだ企画を主軸にする
フェーズ3:経営者意識の醸成
社員がアウトプットできる座談会企画や、会社の問題を訴える“問題提起型”の企画などの経営目線で会社を見る企画を主軸にし、社員の経営者意識を育成する。
このように、フェーズごとの目標が明確であれば、自然と企画が立てやすく統一性も出てきます。
気をつけていただきたいのは、計画を遵守することが発行目的にならないこと。計画はあくまで目的を達成するための目安ですから、読者の反応や会社の状況により時には計画を柔軟に変更することも必要です。
社内報をポジティブな経営ツールとするために
今回フェーズで考える社内報をご紹介したのは、社内報がポジティブな経営ツールになり得ることを知っていただきたかったためです。
社内報創刊時では「情報共有が行き届いていない」「社内コミュニケーションが上手くいっていない」などのネガティブな問題を補完・克服することを発行目的とする企業様が少なくありません。しかし、このような補完・克服などを発行目的にするだけでなく、プラス(ポジティブ)な目標も社内報に託してもらいたいと日頃から感じています。
あなたの会社の社内報はまだまだ可能性を秘めているかも? ぜひ今回ご紹介したフェーズのように、目標に向かって今一度計画してみてはいかがでしょうか?
ディレクター 後藤