社内報の体裁の中で最も使用されている中綴じと無線綴じ。
校了後の作業となりますので、社内報担当者には無関係と思われがちですが、綴じ方によっては台割やページ数にも影響が出てきます。社内報担当者でも基礎的な理解は必要です。
製本とは?
社内報担当者なら一度は耳にしたことがある「製本」という言葉。
まずは製本とは何か?ということから理解していきましょう。
製本とは印刷物を接着剤・針金・糸・リング等で綴じて表紙をつけ、本の形にすることです。
製本には上製本と並製本があり、今回ご紹介する中綴じと無線綴じはどちらも並製本にあたります。
並製本は、上製本に比べ工程が簡略化されていることと、作業が機械化されているため製作費用が抑えられるという特徴があります。
中綴じとは?
▲中綴じの背
中綴じとは、文字通り「中」央部分を針金で止める綴じ方です。 社内報で最も多く採用されている綴じ方で、8ページ〜の少ないページ数からでも綴じることができる製本方法です。ただし、綴じられるページ数に限界があり、基本的に4ページ単位での対応となります。また、中綴じと比べ、計量で開きやすい特徴があります。
<中綴じがよく使われる冊子の種類>
・企画書
・商品ガイドブック
・会社パンフレット
・社内報・広報誌
・ページ数の少ない雑誌 など
無線綴じとは?
▲無線綴じの背
無線綴じとは、背を糊で接着し製本する綴じ方で、針金や糸を使用しないことから「無線」綴じと呼ばれています。丈夫で長持ちするうえに文字も読みやすいため、文庫本や論文集などにも採用されています。
中綴じと比べるとより多くのページ数を綴じることができるのが特徴です。また、中綴じでは4ページ単位での製本が基本となりますが、無線綴じの場合は2ページ単位での製本が可能となります。つまり、10ページや14ページといったページ構成で社内報を制作することができます。
また、中綴じに比べ高級感があり、ページ数によって背文字を付けることも可能です。
<無線綴じがよく使われる冊子の種類>
・商品カタログ
・マニュアルや取り扱い説明書
・論文集
・文庫本
・雑誌・フリーペーパー など
それぞれの特徴が分かったところで、実際の製本工程を見てみましょう。
中綴じの製本工程
表紙と中身を同時に丁合※し、見開きの中央を針金で綴じます。ページ数が多いと本の内側と外側で本文の寸法が変わることがあるので要注意。
無線綴じの製本工程
本文の背を3mmほど削り、さらにキズ(ミーリング)を付けて糊のつきを良くし、糊で背を固め表紙と接着します。糸や針金を使わないので見栄えが良いのが特徴です。
※丁合(ちょうあい)…印刷を終えた紙を実際のページに折り畳んだものが折り丁で、それを正しいページ順に並べることを丁合といいます。
創刊やリニューアルの際には、ぜひ製本にも気を配ってみてください。
実際に見比べてみたいときには、担当編集者や印刷会社に問い合せ見本誌を用意してもらいましょう。
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【執筆者】
ディレクター 後藤