皆さま、パブリックドメインをご存じですか?
聞き慣れない方も多いかもしれませんが、
パブリックドメインとは著作権や発明などの知的創造物について、知的財産権が発生していない状態または消滅した状態の著作物のことを指します。
基本的に誰でも自由に使うことができますが、著作権の他にも著作隣接権や肖像権で保護されている可能性もあります。また改変が許可されたパブリックドメインでも作者の中傷を目的とするような悪質な改変はできません。
パブリックドメインを社内報で活用してみよう!
公有として誰もが使えるパブリックドメインを、社内報で活用してみませんか?
今回は活用方法の例をご紹介していきますので、ぜひご参考ください。
活用法1 表紙での活用
「今月はどんな表紙にしようか…」毎回悩まれている社内報ご担当者さまも多いはず。たとえば季節感のある写真を表紙に起用しようかと検討しているのならば、季節の写真ではなく絵画の画像にしてみてはいかがでしょうか?
例として、今回はNYのメトロポリタン美術館が2017年から公開したこちらのパブリックドメインを活用してみましょう。
The Parc Monceau/Claude Monet
有名な印象派画家のクロード・モネの作品です。日本でも人気の作家ですので作品を見たことのある方もいらっしゃるかもしれません。
夏を感じさせる緑が印象的な作品ですので、7月号の表紙として起用する想定で制作しました。
しかし、それだけでは表紙の起用理由としては薄く感じれてしまうため、モネが起こした絵画表現の改革と、特集の「働き方改革」を結び付けるコラムを下に添えることにしました。
完成したのが、こちら↓
いかがでしょうか?
表紙に使用する画像の質が高いため、パッと目を引く表紙になりました。
またコラムを添えることで、いつの時代でも“改革を恐れない大切さを”社員に伝えるという、モネの絵画を起用した編集意図が伝わりやすくなりました。
※こちらの画像はクリエイティブコモンズゼロ(CC0)であるため、オリジナルの画像に改変を加えてこのような二次作品を制作することができます。パブリックドメインの中にはこうした二次活用が制限されている場合もありますのでご注意ください。
活用法2 コラムでの活用
業務的な記事の箸休めとして、社内報にコラムを掲載している企業さまも多いのではないでしょうか?
一見パブリックドメインとコラムは関連がないかと思われるかもしれませんが、過去の経営者の言葉から学び事業に生かすことと同じように、過去のアーティストや文豪の功績や努力から多くのことを学ぶことができます。画像とともに伝えればより訴求力ある誌面になります。
今回は「海外視点で見た日本の魅力を伝える」ことを目的にしたコラムを想定して、先ほどと同じくクロード・モネの画を用いて作成しました。(1/2ページ想定で上半分はダミーです)
↓
いかがでしょうか?
社長さまの中には美術コレクターも多く、欧米では一つのステータスと認識されていることから、関心のある方も多いのでは? 絵画好きの社長さまなら、コラムの寄稿をお願いしてもおもしろいかもしれませんね。
コラムの重要性については、関連記事「ミニコラムを作って社内報のページに彩りを」をご参照ください。
商用利用可!メトロポリタン美術館のコレクションが画像がパブリックドメインに
今回使用したパブリックドメインはメトロポリタン美術館のコレクションページよりダウンロード可能です。コレクションのうち、375,000点以上ものパブリックドメインの作品が商用・非商用を問わず誰でも使用可能です。「Public Domain」の表記があるものが使用でき、高画質の画像がダウンロードできます。
ちなみにこの記事のアイコンに使った画像もメトロポリタン美術館・パブリックドメインのゴッホの作品です。(Oleanders/Vincent van Gogh)
(参考記事)
【執筆者】
ディレクター 後藤