「著作権」に関する関心が高まってきた現代。
もちろん著作権侵害はあってはなりませんが、著作権を気にしすぎるあまりつまらない記事になっていませんか? 著作物だからと言って何でも「使用不可!」「許諾が必要!」というわけではありません。そこで今回は、知っていると社内報に深みが出る“著作権の使用が認められている範囲”をご紹介したいと思います。
もちろん社内報だけでなく、広報一般の業務の中でも役立つ内容ですので、ぜひご参考ください。
「そもそも著作権って何?」と思われる方はまずは下記記事をご参照ください。
→社内報担当者なら知っておきたい! 著作権のキホンのキ
Q1ホームページに無断でリンクを張ることは著作権の侵害となるでしょうか?
リンクとはHPを他のサイトへ結びつける行為のことです。この行為は単にリンクを張ることで他サイトの情報にたどり着けるようにしているだけと考えられますので、著作権侵害とはなりません。
しかし「リンクを張るには許諾が必要です」などの記載がある場合は(記載は法的には意味をなしませんが)許諾を取った方が親切です。
これと同様に、WEB社内報から他サイトへリンクを張っても著作権侵害にはならないと考えられます。記事に関連リンクが張ってあることで、内容に興味を持った読者が詳しい情報をリンク先から得ることができるようになりますので、記事に深みが出てきます。
Q2クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(ウィキペディアetc.)の付いた著作物は、許諾を得ないで使えますか?
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは、国際的な著作権に関する非営利機関クリエイティブ・コモンズが提唱する新たな著作権ルールとそのプロジェクトの総称です。代表的な権利である「表示」「非営利」「改変禁止」「継承」の4つの意思をアイコンで表し、第三者が利用条件理解しやすくするシステムです。アイコンが示す利用条件に則って使用する場合は、著作権者の許諾は必要としません。
似たような仕組みに文化庁が行っている「自由利用マーク」がありますが、こちらのマークの種類は「コピーOK」「障害者OK」「学校教育OK」の3種類からなっており名称にもあるように基本的に自由に複製・配布出来る著作物を対象にその自由の範囲を表しています。
詳しくはcreative commons Japanのホームページでご確認ください。素材や文章や画像など、使える素材や、CCライセンスが付与された画像を集めたサイトなども紹介しています。記事に関連するデータベースや高品質な画像素材などを活用すれば、社内報のグレードアップが狙えます。
Q3社内報や広報誌に新聞掲載の時事の論説をそのまま掲載しましたが、問題はありますか?
新聞または雑誌に掲載された政治上、経済上または社会上の時事問題に関する論説は、転載を禁止する胸の表示がない限り、学術的な性質を有するものを除いては他の新聞や雑誌に転載することができます。時事の論説とは、時事問題に関する社説などです。ただし、執筆者の書名入りの論説は転載を禁止する表示であると一般的に解釈されます。また時事の論説ではなく一般の記事の場合には原則として無許諾で転載することはできませんので、注意が必要です。
新聞などの第三者の視点が入ることでとても信憑性が高くなります。時事問題に関連する記事を扱う際は、活用を検討してみてはいかがでしょうか?
Q4社内報や広報誌に「奥付」をつけないといけませんか?
これも社内報ご担当者さまからよく質問をいただきますが、現行法では何らかの規定は存在しません。つまり奥付をつけなければならない法的な規制はありません。
しかし、法的規制がないにしろ読者に対して出版物の発行責任を明らかにする意味で奥付は重要な役割を果たします。現在でもほとんどの媒体で重んじられているのが現状です。
最低限の記載内容として、媒体名(社内報の名前)、発行所名(会社名)、発行責任者名、変更年月日などがあれば良いと考えられます。
(参考)
公益社団法人著作権情報センター
一般社団法人著作権教育研究会
日本書籍出版協会
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【執筆者】
ディレクターT
だんだん暖かくなってきましたね。