人事担当はこの時期、次年度新卒入社(内定者)のフォローをしています。社内報は「会社の問題解決の一端を担うことができる」と当ブログでも何度か書きましたが、今回は「内定辞退」という会社にとって由々しき問題を解決する手段として、社内報の役割に目を向けます。
新卒者売り手市場の中、内定辞退が増えている…!?
昨年度は、大卒・院卒の求人倍率が1.78倍とも言われ、現在も「新卒者の売り手市場」が続いています。そんな中、膨大なコストと時間を掛けて内定まで出したものの、その中の一定数は、内定から入社までの間に辞退するという事例も、ないわけではありません。社内報担当者なら、会社の損失の可能性を自分事ととらえ、社内報編集委員という立場を活用して会社に貢献することができます。
人事担当と連携して、誌面づくりをしよう
人事担当は、内定者のフォローとして入社までの間にさまざまな策を練っています。定期的な懇親会、職場見学、面談、社内イベントへの招待、SNSやグループウェアを使った連絡網など、その手段は多岐にわたります。そんな中、社内報も人事担当と協力して「内定者」つまり、翌年から仲間入りする社員に向けてできることを考え企画にし、ページで表現していきましょう。人事からの要望がなくとも、担当者の熱意を見せるなら今!です。「内定者のフォローに繋がる誌面を作りますので、現状をリサーチしたいため、時間をください」と担当者から自発的に働きかけていきましょう。
まずは人事担当の「困りごと」をリサーチ
社内報が「問題解決の一端を担う」には、まずはリサーチです。人事担当者と会い、現在の内定状況・内定辞退者の有無(前年度のデータ)などを聞きます。そのとき「いちばん困っていることは何ですか?」と聞いてみるのも手です。
内定から内定式(入社)までの時期で困ることは、会社によって異なります。まずは、世間的に言われていることにとらわれず、自身の会社の人事担当が「何に困っているか」を知りましょう。
人事が困っていることを書き出す
人事担当との会話で聞き出した「会社(この場合は人事部)の問題」「人事の考え・目標」を整理して、まずは箇条書きにして細分化、まとめてください。きっと、人事はたくさんの問題意識を抱えていることでしょう。
(例)
・内定者フォローのSNSサービスの運用・利用率が低い(返信がない)
・資格取得をうながしたが、合格率が心配だ
・インターンシップやアルバイトで事前体験してほしいが希望者が少ない
・内定者の不安感を払しょくしたいが、方法が分からない
・人事と内定者の信頼関係構築の良い方法を模索している
・内定者の疑問を解決して入社意思を強固なものへとしていきたい
社内報で企画化するなら、ピンポイントで!
悩みを聞き出したら、社内報でフォローできることを企画化します。そこでのポイントは「全部を解決しようとしない」ことです。ピンポイントで「たった一人の内定者へ向けて届いてほしい」という気持ちで企画を練ってください。
近年のスマホ世代は、LINEやSNSなどに慣れ親しんでいるため「その他大勢」へ向けた文章よりも「自分に宛てられたメッセージ」に敏感です。
実例:「採用」「内定」にまつわる問題解決のための企画3選
内定者への社内報送付を念頭に入れた「直接的に内定者に語り掛ける企画」の他、今いる従業員へ向け「新卒者の受け入れの準備を整える企画」など、可能性は無限です。
企画1
資格取得者に聞く!
「私のマル秘 勉強法大公開SP」
現在働いている社員の中で、入社後ゆくゆくは必要な資格を早期(入社前)に取得できた社員に、その秘訣を聞いて掲載します。具体的に使っていた参考書を紹介したり、学生生活の時間の中から資格取得の勉強時間をどのように捻出していたか、また、入社前に取得できたことで感じたメリットなどを紹介してください。現在まだ取得できていない社員や、内定者向けの企画です。
近年、内定者に「会社のリアル」を知ってもらうことを目的とし、対外的な会社案内パンフレットではなく社内報を送付する企業が増えています。内定をもらいホッとしている彼らにも響くことでしょう。
企画2
入社1年目! 各課の新人、その後を追う!
「ある日のタイムスケジュール」
社員に「この会社で働く未来の自分像」を見せ、キャリアパスを描きやすく誘導するのも社内報の役目です。この場合は、内定者に、近い将来の自分の姿を具体的に見せて不安を払拭してあげましょう。
例えば入社1年目で各課に配属されている人を1名ずつ取り上げ、1日のタイムスケジュールを円グラフ化します。就業時間内だけでなく、起床から睡眠までを紹介することで、ワークライフバランスが具体的に分かります。
(例)
・6:30起床
・8:00 家を出る(電車内はスマホで資格の勉強(e-ラーニング))
・9:00 出社
・9:15 朝礼(前日からの引き継ぎ事項を先輩と確認)
・午前中 作業工程を書面化。先輩のチェック後、修正作業
・12:00 ランチ、昼休憩
・13:00 全体会議
・14:30 外回り(××社と●●社へ先輩と同行)
・17:00 帰社。報告書作成
・19:00 退勤
・20:00 同期で飲み会
・23:00 帰宅
・24:00 就寝
「社会人になると大変なのかな」「どんな毎日になるんだろう…」と不安いっぱいの内定者に、かなり具体的に1日の流れを想像してもらえます。会社と内定者の「ギャップ」を埋めることに社内報が一役買えるチャンスです。
企画3
内定者からの質問に、先輩社員が答える!
「Q&A 素朴な疑問ズバリ解決」
内定者用SNS・グループウェアの活用率を上げ、さらに内定者の社内報への興味をひき、社内報の存在を知ってもらう企画です。人事担当者に「当社では社内報というものを発行していて、社員全体が情報共有するツールとして活用していること」をSNSでコメントしてもらい「次号は、内定者なんでもQuestionのような体裁で皆さんからのギモン(匿名可)に社員が答えてくれます。一人1個、質問を投稿してください」というようにSNSを使って質問を集めることで、SNSと社内報、双方の活用率を高めてください。
執筆/ディレクターA
(夏ですね。ゴーグル、フィン、シュノーケルの3点セットを購入しました♪)