人種、国籍、宗教、障害、性別、性的指向、年齢…あらゆる違いを尊重して、共に働ける風土を築くことを目的とした企業の活動がダイバーシティ推進。企業内でさまざまな背景を持つ人材が働いていると、一見成功しているように見えますが…。今回はダイバーシティを推進する意味について今一度考えてみましょう。
価値観を認めあう…だけじゃない!
物質的に豊かな社会になり、価値観が多様化している現在。仕事に対するスタンスも新卒、中堅、ベテランそれぞれの社員で違いがあるのではないでしょうか? 自分のために働きたい人、会社の仲間のために働きたい人、ワークライフバランスを大切にしたい人、価値観は人それぞれかと思います。こうした価値観を互いに尊重しあうことも重要ですが、「うんうん。わかるわかる。そういう考えもあるよねー。」となれ合いを推進することがダイバーシティ推進の目的というわけではありません。個人の持つ価値観を否定をするわけではありませんが、会社が目指すビジョンや行動指針に沿って仕事に向き合えているかどうかが最も重要です。
ダイバーシティを推進する一方で、今一度「企業が持つ価値観」を浸透させることが重要です。社内報の企画としても、活躍する社員をただ紹介するだけでなく、個人の背景や価値観も伝えつつ、その上でどのような形で仕事で成果を挙げたのか? までを紹介すると、ダイバーシティ的観点を持った記事になります。
国籍、宗教…文化的背景の違いを理解しよう!
日本人同士でも、出身の都道府県の違いによる文化の違いに戸惑うことがありますが、国籍や宗教が違えば文化の違いにとまどうのは当然です。外国籍の社員への理解を推進するために、その国が持つ文化的背景を社内報で伝える企画で、ダイバーシティ推進を促しましょう。
たとえば、以下のような文化の違いは、お互いが気持ちよく仕事をする上でとても重要です。社内への周知を社内報を通してしっかり行いましょう。
その① ボディタッチは意外としない
握手、ハグをする欧米文化では相手の体に触れることが当たり前のコミュニケーションに思われがちですが、相手を呼ぶときに肩などを叩いたりすることには抵抗があるようです。
その② トイレのドアは開けっ放し
誰も入っていない個室のドアは開けっ放しにしておく習慣のある国もあります。決して閉め忘れというわけではなく、意図的に開けっ放しにしているのです。
その③ 時間の感覚が異なる
国ごとで異なるのが時間の感覚。電車のダイヤが乱れると日本ではすぐさまアナウンスされますが、諸外国では遅れていることすらアナウンスされません。
上記のような文化の違いを理解しつつも、日本の文化をしっかり教えてあげることも重要です。お互いが理解しあい、社内報でコミュニケーションを円滑にしましょう。
「最近の若者は…」と言われ続ける若者たち
冒頭にも触れましたが、世代が異なると価値観には当然ギャップが生まれます。そして、いつの時代も「最近の若い連中は…」と年長者は嘆くのです。そして、この構造は古代エジプト時代から見られていたようです。つまり、時代が変われば価値観も当然変わるものという認識が必要です。では、最近の若者は仕事に対してどのような価値観を持っているのでしょうか?
90年代以降に生まれた若者はThem世代と称されることがあります。対して、50代のビジネスパーソンはMe世代、30代のビジネスパーソンはUs世代と呼ばれます。これが何を意味しているかというと、自分や自分たちのためではなく、「自分たち以外の彼らのために」働くことに価値観を持つ若者が多いということを指しています。自分の仕事が、どのように社会に還元され、役立っているのか…そこにモチベーションを上げるポイントがあります。
社内報はインナーコミュニケーションツールであるため、組織の内側の情報を多く掲載することになりますが、若い世代に向けて「顧客の声」や、「自分たちの作った製品が使われている現場」を紹介するのも一つの手段です。
それぞれの価値観を認めることは、新しい企画のヒントになるかもしれませんね。
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【執筆者】
ディレクター 水谷
理由は全く分かりませんが、よく外国人の方に道を尋ねられます。日本語以外はまったく喋れないので、身振り手振りと気持ちの籠った日本語を駆使した道案内にはかなり自信があります。しかし、米国滞在時に現地の米国人に道を尋ねられた時は、慣れない異国の地ということもあり、アイキャントスピークイングリッシュ!と叫んで泣きべそをかきながら道案内を放棄しました。そもそも、道を知らないですし。