社内報でもご注意を!ポリティカル・コレクトネスについて考えてみよう!

ポリティカル・コレクトネス

性別・人種・民族・宗教などに基づいた差別や偏見を是正することを目的に、公正・中立な表現を目指す「ポリティカル・コレクトネス」。もともと多民族国家であるアメリカで起こった運動ですが、外国人労働者も年々増えている日本においても他人事ではありません。今回はポリティカル・コレクトネス、略してポリコレについて考えてみましょう!

 

それは決めつけた表現? 言葉の表現に気を付けよう!

 

看護婦という表現は「女性が就く職業」という認識を植え付けてしまう可能性が高いため、2002年保健師助産師看護師法改正の際に「看護師」と用語が置き換えられました。このように「男性だから○○であれ」「女性らしく○○であるべき」という表現は、保母 → 保育師、ビジネスマン → ビジネスパーソン といった具合に是正されています。しかしこれらの正しい用語をしっかり使えばOK…というわけではありません。問題の本質は「決めつけた表現をしていないかどうか?」ということです。

例えば「関西人ならではのノリの良さ」など、ついつい使ってしまいがちな表現ですがこれは「関西の人=ノリが良い」という決めつけた表現となります。当然のことですが、関西出身の方の中でも物静かな人もいます。すべての関西出身者が読んで不快な思いをしないように、このような表現は避けるべきなのです。

「都会は冷たい人」と言われたら…都会育ちの方は嫌な気持ちになりますよね。先入観による決めつけが誰かを傷つける可能性があるということに考慮することが重要です。

 

男性だから・女性だからできて当然!という仕事の任せ方にも気を付けよう!

 

表現についての注意も必要ですが、もっともポリコレにおいて重要なのは意識の持ち方。性別が大きく影響する仕事内容は確かに存在しますが、男性社員には無条件に力仕事を任せたり、女性社員に限り来客のお茶出しを任せるなど、習慣的に行われていることは見直す必要があります。男性にも非力な方はいますし、お茶出しは性別関係なくできる業務です。無意識に性差で業務を振り分けていないか改めて確認してみましょう。

「男性は外で仕事・女性は家で家事」という価値観が既に古くなったように、職場においても価値観をアップデートする必要があるのです。

 

とはいえ…どこまでポリコレに気をつければいいの?

神経質になりすぎて「ポリコレ疲れ」という言葉が生まれるほど、気を付けるべき事項は広範囲に渡ります。しかし、ポリコレの本質は表現の規制ではなく「不平等を取り払おう」というものです。気を付けるべきは先入観により意図せず起こしてしまう不平等な表現。やってはいけない表現を隈なくチェックするのではなく、まずは自分以外の誰かの視点に立った時に「これはどのように見えるのだろうか?」ということを意識しましょう。

 

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【執筆者】

ディレクター 水谷

ディレクター「男とはかくあるべき!」と思って喫茶店ではブラックコーヒー(ホット)一択という自分の先入観も、年齢を重ねて徐々に変化。今では、ずっと我慢していたストロベリーパフェを気取ることなくオーダーできるようになりました。男が甘いもの好きでもいいじゃないか。