社内報においては、読みやすい文章であることは大切な要素です。さらに読まれる社内報にするためにできる工夫の一つが、「ひらがなに直したほうが読みやすい漢字は直す」ことです。
まず、記事の基準は、社内報にかかわらず、
- 分かりやすくやさしい文章・言葉で書く(日常使いしている言葉か?など)
- できるだけ統一した基準を守る(ひらがなを使ったら、その後に出てくる同一単語もひらがなで表記、など)
という基準が一般的です。
この基準に従い、分かりやすく、やさしい文章にするために「ひらがなに直した方が読みやすい漢字」を具体的な例を挙げて紹介します。
なぜ、ひらがなに直したほうが読みやすいの?
漢字の多い文章は、単に読みづらいだけではなく、堅苦しいさや仰々しさが感じられます。それが原因でストレスを感じて読むことをやめてしまうきっかけになるかもしれません。
一般的に社内報では、ビジネス文書のような堅苦しい文章より、読みやすい文章が好まれます。
常用漢字※を使用して分かりやすさを心掛けましょう。とはいえ、ひらがなばかりの文章も読みにくいため、適切に使い分けなければいけません。漢字で書くか、ひらがなで書くかを適切に判断するのは、簡単なようですが、基準があいまいではとても難しいものです。
現状、それぞれの印刷物の校正基準は、出版社・制作会社の編集者や校正者がその媒体と目的を加味した上で決定する場合が多いようです。社内報も同じく、その企業の社風や目的に合わせて校正基準を定めています。
そこで、
社内報を編集している中で気がついた
原稿で特によく見られる「ひらがなに直した方が読みやすい漢字リスト」をご紹介します。
このリストの漢字は、ひらがなに直していただいた方が読みやすいと推奨されている用語の一部です。ぜひ参考にしてみてください。
リストは下記からダウンロードいただけます。お手元にあると便利ですよ。
↓
【解説】
さらに詳しく知りたい方へ。特によく出てくるものについて下記にて解説します。
■事→こと
※この名詞が実質的意味を持って使われない場合は、原則としてひらがなに直します。
(名詞の実質的意味を持ち漢字を使用する例)事と次第によっては…
■出来る(動詞・副詞など)→できる
(例)…することができる、できる限り、用事ができる など原則としてひらがなに直します。
- 名詞形、複合語の場合には漢字を使います。
(例)上出来、出来心、出来事など
■有る/有り→ある/あり
「ある」と読む場合は基本的にひらがなに直します。
(例)ありきたり、ありさま、ありのまま、など
■無い/無し→ない/なし
助動詞・補助用語の場合はひらがなに直します。
(例)行きたくない、…かもしれない、…しない、…でない など
※有る/無しの対語の場合はそれぞれが漢字書きを使用します。(例)有ること無いこと
共同通信社 『第13版 新聞用字用語集 記者ハンドブック』より入部抜粋
注意点
これらはあくまで参考です。
注意していただきたいのは、これらすべてをむやみやたらに、ひらがなに直せばいいわけではありません。
依頼した原稿が届いたとき、もし読みにくい漢字が使われていても、それが執筆者の意図と読み取れれば尊重すべきです。
原稿は執筆者の作品ともいえますので、十分配慮して取り扱う必要があります。
必要があれば伺いをたて、作者の意図と読みやすさが両立した文章を目指しましょう。
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執筆者:ディレクター 河合
紫陽花がきれいな季節ですね。
あじさい、アジサイ…この花は、漢字の方が花の雰囲気が出るなぁと感じるのは私だけでしょうか?