海外駐在員は、日本国内の社員と直接顔を合わせる機会はとても少なくなります。
交流が少ないと、帰属意識・仲間意識も低下しがち。また、駐在員がどんな業務をこなし、どんな生活を送っているか、詳しく知らない社員もいるのではないでしょうか。
そんなときは海外駐在員に、社内報の「特派員」になってもらうことをオススメします。国内・海外問わず、誌面を通じた交流機会を提供することは、社内報の大きな役割の一つです。
それに海外には、日本では見つけられない、興味深いネタがたくさん転がっています。読者に楽しんでもらえる媒体を作るためにも、新鮮なネタは必要不可欠。それを逃してしまうのは、とてももったいないことなのです!
ここからは海外駐在員に登場してもらうことを想定して、いくつか企画をご紹介いたします。
わが社の「海外特派員」に原稿依頼! にぎやかな誌面をつくる企画
- そんな意味の言葉あるの?! 現地のことばシリーズ
現地のスタッフとやり取りを重ねる駐在員なら、現地で話される言語の知識も徐々に増えていきます。実際に生活の中で出会った、日本語にはない言い回しや、その言語独特の表現を教えてもらいましょう。たとえばドイツ語の「Kummerspeck」(クンマーシュペック)という言葉は、文字通りに解釈すると「悲しみベーコン」。「悩み事のせいでつい食べ過ぎてしまい、ついてしまった贅肉」を意味するそうです。やけ食いの結果をこんな風に言い表すとは……。日本語にはない感覚を持った言葉です。
その他、「企業理念は現地の言葉で表すとどうなる?」などの質問も、現地スタッフへ企業理念を紹介する意味でも有用でしょう。
- 今日のビックリ ――リアルな生活レポート
実際に現地で暮らす中で、驚いたことを伝えてもらいましょう。たとえば、台湾や東南アジアでは日本では一般的に食する機会が少ない肉(カエルなど)を食べるケースがあります。初めて見かけたら、誰でも驚くのではないでしょうか。また、ピースサインはギリシャで、親指を立てるサムズアップは中東諸国などで、それぞれ「侮辱」を意味します。喜びを表現するとき、つい慣れたジェスチャーをやってしまい、想像とは違う反応をもらうこともあるでしょう。そのように、現地で暮らす中で知った驚きの習慣や、リアルな生活の様態を伝えてもらい、ダイバーシティ推進に役立てましょう。
- 駐在社員に聞いてみよう! 海外勤務Q&A
社内報誌面で直接、日本国内の社員から駐在員へ質問を投げかけるコーナーは、海を越えて社員同士がつながる契機を生むことができます。
国内の社員から、現地での業務に関する質問や、駐在先の生活に関する素朴な疑問など、さまざまな質問を送ってもらい、駐在員に誌面上で回答してもらいましょう。
駐在員の業務や生活を、Q&Aという誰もが親しみやすい形で紹介することで、国内の社員にとっては海外での業務についてより理解が深まりやすくなります。また海外駐在を目指す社員にとっては、駐在員からリアルな話を聞くチャンスにもなるでしょう。
- ○○(国名)で奮闘中! 現地スタッフのみなさんをご紹介
駐在員の仕事の先には、現地スタッフの方もいらっしゃるかと思います。その場合は、現地スタッフの紹介を行うこともよいでしょう。その国らしさを伝えるという点では、駐在員よりも優れている彼らにも「特派員」のアシスタントとして出演してもらいましょう。
現地スタッフのプロフィールを掲載する場合は、休日の過ごし方や好きな食べ物、家族構成など、可能な範囲で詳しく聞いてみましょう。お国柄はパーソナルな部分にこそ、色濃く表れるもの。国内社員がその国に興味関心を深めれば、自社が海外で展開する事業をより深く理解する助けになるはずです。
また、日本語がわからない現地スタッフがほとんど、というケースが多いと思います。社内報の他言語版を用意できれば、現地スタッフに読んでもらえる機会も増えるでしょう。
- 駐在員の1日のスケジュール
言わずもがな、駐在員が働く一日の流れは、国内の社員とは異なります。彼らの一日のスケジュールを示して、国内社員との違いを示してみましょう。
各国の文化によって、ビジネスタイムも変わってきます。たとえば、スペイン・フランス・イタリアなどでは、食事時間が日本よりもはるかに長く、特にスペインには昼食を2時間ほどかけてゆっくり摂る習慣もあります。それはつまり、日本とは異なる時間の流れでビジネスも動いているということを意味します。
また、北欧・デンマークでは午後4時がラッシュアワーになるほどで、日本と比べ労働者の勤務時間が短い傾向にあります。伝統的な慣習だけでなく、ワークライフバランスの重視の仕方も、各国によって変わってくることがあります。
各国の文化やビジネスタイムに合わせた働き方を、駐在員のスケジュールを通して伝え、多様な働き方への理解を促していきましょう。
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遠い場所に暮らす者どうし、なかなか簡単にはお互いの近況もつかめないし、まして時差があればコミュニケーションをとることも容易ではなくなってきます。そんな時こそ、社内報の効力を発揮させていきましょう!
とはいえ、駐在員ももちろん忙しく駆け回る日々を過ごしていますので、取材撮影依頼で業務を逼迫するのも考えもの。たとえば写真撮影の依頼なら、休日の外出のついでに少しの時間でお願いできるような、駐在社員の負担にならないよう配慮できればベターです。
貴社の「特派員」を通じ、グローバル性豊かな社内報を作っていきましょう。