短い指示語を入力するだけでAIが画像を自動で作成してくれるWebサイトや、撮った写真をマンガ風に加工するアプリなど、AI技術を使った画像サービスが近頃急速に普及し、大きな話題となっています。2022年ごろからさまざまなサービスが誕生していますが、サービスを提供する側も、利用する側も手探りの状態といえます。ただし、人が描くには相応の時間とお金がかかることを、AI技術を使えば低価格、しかも数秒で可能となることから、うまく活用できればとても有益になるといえます。
今回は、AIが生成したイラストを社内報で活用するポイントと使用する際の注意点についてお伝えします。
■活用術1:表紙や挿し絵として活用
アメリカのビジネス街を彷彿とさせるモダンな印象のこのイラスト。実は「ビジネス街、立ち並ぶビル、営業マン(Business district, standing buildings, salesmen)」という指示語(プロンプト)を入力し、画像生成サービス「Midjourny(ミッドジャーニー)」を使って生成したイラストです。
画像生成AIはインターネット上に広く公開されている画像をAIが学習し、イラストを自動で生成するため、元画像が存在している以上、既存の著作物との類似性が高まることがあります。生成したイラストが既存の著作物とあまりにも似ている場合、著作権の複製権、同一性保持権を侵害してしまう可能性が出てきます。
また利用規約で許可されていない用途で使用すると、著作権侵害に当たる可能性があります。イラストを使用する前に、サービスの利用規約を見直し、既存の著作物と類似していないか、しっかりと確認したうえで社内報の誌面制作に活用しましょう。
■活用術2:解説役としてキャラクターを活用
かわいらしいアニメキャラクターを描いたこのイラスト。こちらはアニメキャラクター画像生成サービス「Crypko™(クリプコ)」を使って生成しました。
若手社員にとって、会社の経営方針や新事業の説明記事などは難解でつまらないと倦厭されがちです。そこで、興味を持ってもらうフックとして「お堅い」テーマを解説する役割に、かわいらしいアニメ風のキャラクターを登場させてみましょう。
ただし、アニメ風のキャラクター画像生成サービスはさまざまあり、それぞれ公開できる範囲や加工ができる範囲が違います。利用規約をしっかりと確認し、適切に使用しましょう。
■活用術3:顔写真をマンガ風に加工しキャラクターとして活用
顔写真をマンガ風に加工できるアプリ「BeautyPlus」や「ToonApp」などを使うことで、簡単に自身をキャラクター化することができます。
マンガ風にすることで顔の特徴がデフォルメされ、個性が際立つ「アニメキャラクター」となった自身を誌面に使うことで、顔写真よりも親しみのある印象に仕上がります。例えば活用術2のように社内報の解説役として登場させる、難解な内容を紐解いたマンガを作成し、キャラクターとして登場させるなど、さまざまな使用場面が想定されます。キャラクター化されている社員を見た仲間は、普段の姿とのギャップにおもしろみを感じ、話題に上げてくれることでしょう。
短いプロンプトを入力するだけでお気に入りのクリエイター風やアニメ風のイラストを作ることができるAI画像生成サービスは、その著作権についてさまざまな議論が巻き起こっています。使用の際はこまめに利用規約に変更がないかを確認することが大切です。権利に配慮しながらAIとうまく付き合い、社内報に活用していきましょう。
執筆者:ディレクター 大原
AIは人では思いつかない発想でイラストを仕上げることがあるので、アイデアの一つとして取り込む使い方をするのもいいですね。
AI技術は黎明期。様子を見つつ、うまく付き合っていきましょう。