社内報ご担当者の皆様、こんにちは。
社内報の誌面において重要な構成要素のひとつである「写真」。皆様は掲載写真をどのように準備していますか。
撮影が必要になったときは、デジタルカメラやスマートフォン搭載のカメラで撮影するという方が多いかもしれませんね。デジカメもスマホ搭載カメラもどんどん高性能になっているので、扱いがそれほど大きくなかったり、社員の皆様からの投稿記事やレポート記事などに使用したりする場合は問題なく使えることが多いです。
しかし、表紙や見開き特集のメインカットなどで写真を大きく使う場合、ピントが甘かったり、奥行きが少なくベタッとした写真になりがち。メインカットは会社のイメージにも関わる重要なビジュアルですので、予算が許せばプロのカメラマンに依頼することをおすすめします。
では、プロのカメラマンに依頼するときはどのような手順で、どんな点に注意して撮影に臨めばいいでしょうか。今まで依頼したことがない方のためにポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。
1. 得意ジャンルを見極めて依頼
まずは撮影内容と予算に合わせて、カメラマン候補を選びます。カメラマンといっても、料理・グルメ、ファッション、アート、風景、スポーツ、人物ポートレート、商品の物撮りなど、得意ジャンルは人によってさまざま。例えば、スタジオでのかっちりしたポートレート撮影が得意なカメラマンでも、ファッションフォトは撮ったことがないということもよくあります。希望に近い写真が撮れるカメラマンかどうかを、しっかり見極めて依頼しましょう。
2. 撮影内容とイメージの共有
カメラマンが決まったら、撮影の内容をできるだけ詳しく伝えます。媒体のコンセプトや誌面のラフレイアウトのほか、おおよその構図を描いた撮影ラフを用意して、仕上がりのイメージを共有しておきましょう。ラフはどんな手法で描いてもいいですが、伝わりやすいように丁寧に描くこと。言葉でうまく説明できないときは「こんなカットがほしい」というイメージに近いサンプル写真を用意しておくと伝わりやすくなります。
3.撮影スケジュール表を作成する
撮影カットが多岐に渡る場合は、当日の撮影スケジュール表(香盤表)を作成します。
その際、撮影時間、撮影場所、撮影対象者(モデル)、必要な小物(ありの場合)、構図(全身、バストアップなど)、ポーズや表情、振り(左右正面)、カメラ目線(あり・なし)、マスク着用の有無、写真の扱い(切り抜き、角版など)、縦横、カット数など、できるだけ明確にして、カットごとに記入しておくことをおすすめします。
4.事前ロケハンをお忘れなく
ロケをすると決めた場合、事前にロケハン(ロケーション・ハンティングの略。撮影場所を事前に下見しておくこと)をしておきたいもの。可能であれば、撮影当日と同じ時間帯に行くと、撮影当日の状態がイメージしやすくなります。
ロケハンでは、撮影場所の広さ、明るさ、陽の入り方、人や物の場所、映り込む背景の状態などを確認し、カメラ(スマホでOK)を持参して、必ず写真を撮りましょう。そして、撮った場所の写真は事前にカメラマンに送って共有しておくことが大切です。カメラマンは必要な機材、小物、照明などが分かり、当日の撮影がぐっとスムーズになります!
ホテルや施設などでは、撮影許可の申請が必要になります。撮影当日までにその手配もお忘れなく。
5.当日はディレクターとして「場を回す」
①進行管理と撮影のディレクション
予定どおりに撮影できているかを香盤表で確認しながら、進行管理と撮影のディレクションを行います。役員を撮影する場合は事前の段取りはもちろん、臨機応変な対応も求められます。例えば、前の予定が長引いてしまった、後ろの予定が早まってしまったなど現場で判断をしながらスケジュールを調整することも大事な役割になります。
カメラマンにはしっかりと希望や要望を伝えたり、構図やポーズを提案したり、相談したりするなど、コミュニケーションを取りながら撮影現場を仕切りましょう。
ときにはカメラマンからレフ板持ちやアングル決めのためのモデルを依頼されるかもしれませんが、スムーズに撮影を進めるためにも、ぜひ快く“アシスタント役”を引き受けていただけるといいですね。
②現場の雰囲気づくりと関係者への心配り
撮影対象者が従業員やお客様などの一般人の場合、撮影に慣れていないこともあり表情や動きが不自然になってしまいがち。ご担当者様が撮影対象者にこやかに話しかけるなど、和やかな雰囲気を作るための心配りが重要です。とくに男性は笑顔をつくるのが苦手な方が多いので、自らがお手本となり口角の上げ方を実践するくらいのスタンスで臨んでください。
③撮影終了後は原状復帰がマスト
撮影終了後は、基本全てのものを原状復帰が基本。使った小物や備品、ゴミなどを片付けて、撮影前の状態に戻しましょう。
なお、カメラマンの撮影道具の片付けもできる範囲でお手伝いされるとベターですが、高価なカメラやライトなどは破損リスクが伴いますので、絶対に触らないようにしてください。
取材撮影がスムーズにいくように「場を回す」ことが、社内報のディレクターであるご担当者様の役割といえます。コストをかけただけの素晴らしい写真が撮れるかどうかは、事前の準備と当日の動きにかかっているといっても過言ではありません。皆様の奮闘を期待しております!
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