社内報の企画が決まったら、執筆者を選定して原稿執筆を依頼します。あとは締め切りまでに原稿が届くのを待つだけ、と安堵していたのに、”想定外”の原稿が届いてしまった…という経験は社内報担当者ならよくあることではないでしょうか。その場合、執筆者に原稿を書き直してもらう、もしくは執筆者の承諾を得て担当者が大幅にリライトすることになります。どちらにしても、相当の時間と手間がかかってしまいます。
そのような事態を防止し、スムーズに制作を進めるためには、原稿依頼も丁寧に、思いやりをもってすることが大切です。
記事の内容・ターゲット・掲載目的を伝える
たとえば自社で長年売れ筋になっている商品の「開発秘話」を掲載する企画で、メインの読者ターゲットは「新入社員」、目的は「製品開発時の困難やそれを乗り越えるための努力を分かりやすく伝え、製品への愛着と事業への理解を深めるきっかけにしてもらう」こととします。しかし、寄せられた原稿には、入ったばかりの社員には理解しづらい専門用語が多用されていたとしたら、ターゲットである新入社員にはなかなか理解してもらえず、目的を達成することは難しくなります。そのような事態を防止するためには、原稿依頼の際に記事の内容やメインの読者ターゲット、掲載の目的を執筆者にしっかりと伝えることが大切です。
さらに「技術的にどんな点が難しかったか」「当時の開発チームはどんな雰囲気だったか」など盛り込んでほしい内容を具体的に伝えましょう。サンプルの回答を示しておくのも、書きやすさが増すという効果が期待できます。
Webフォームなどで書きやすい環境を整える
内容やターゲット、掲載の目的がクリアになっても、まとまった分量の原稿をいきなり書くことは簡単ではありません。そこで、アンケート項目のように、書いてほしい項目を分け、その項目ごとに字数の目安を伝えるのも1つの方法です。上記の例でいえば「技術的にどんな点が難しかったか」で100字、「当時の開発チームはどんな雰囲気だったか」で200字…というように、具体的な文字数を明示してあげることで、執筆者の心理的ハードルはぐっと下がります。
Excelなどでアンケートフォームを作成してもいいですが、Webフォームの活用も検討しましょう。書いてほしい項目ごとに質問を設定したフォームを作成し、そのURLを執筆者に送付します。アンケートに答えるような感覚で取り組むことができるため、原稿を書くことへの抵抗感をさらに低減することができます。なおGoogleフォームであれば、各質問で100字・200字など「最大文字数」を設定することも可能。大幅な字数オーバーによって書き直しやリライトが必要になるケースが生まれにくくなります。
どちらにも共通しているのは、原稿を書く際の筋道を執筆者に分かりやすく明示するという点。想定外の原稿が届いたことにより、二度手間が発生しないためにも、執筆者に寄り添った丁寧な依頼を心がけていきましょう。
〈関連記事〉