「ネガティブチェック」で新入社員にも伝わりやすい社内報に!

4月に入社した新入社員の中には、「新しい環境でうまくやっていけるかな」という不安を感じている人も多いかと思います。そんな彼らにとって、入社後初めて配られる社内報は、少しずつ会社のことを理解し、働く環境や今後の業務のイメージを膨らませていく上で大きな助けになります。だからこそ、新入社員特集号などを制作する際には企画内容だけではなく、文章表現や盛り込むエピソードにおいても、新入社員に十分配慮しましょう。

具体的な方法としてオススメなのが、新入社員が読んでわかりにくい箇所や適切でない表現はないか「ネガティブチェック」を行うこと。今回は、新入社員を念頭に置いたネガティブチェックの例を紹介します。

 

 社内の専門用語が多用される記事では、用語解説を

 

業務内容に深く切り込んだような記事では、新入社員の知らない専門用語や業界用語、略称・略語が多用されがちです。「新入社員が読んで理解できるか」を基準にして、一般的に使われる用語に置き換えるか、注釈として用語解説を入れるようにしましょう。知らない言葉ばかりでは、内容を理解できないだけでなく「置いてけぼりにされている」と感じてしまうかもしれません。

スペースに余裕があれば「新入社員のための用語集」として、一覧にまとめたコンテンツを盛り込んでみましょう。新入社員だけでなく、先輩社員にもきっと喜ばれますよ。

 

「猛烈に働いたエピソード」はあくまで過去の例として紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新入社員へのエールとして、先輩社員からのメッセージを掲載することがあります。昨今は働き方改革が進んでいますが、猛烈に働くことがよしとされる風潮の中で若手時代を過ごしたベテラン社員からのメッセージには「休日出勤や深夜残業は当たり前、がむしゃらに働いてきたからこそ今の自分がある」というエピソードが含まれるケースもあるかもしれません。しかし、そのようなメッセージばかりが掲載されると「自分たちもそういう働き方を強いられるのではないか」という不安につながるリスクがあります。

「あくまで当時の働き方である」ことをさりげなく前置きに入れるなど、新入社員を不安にさせない工夫をしましょう。

 

ジェンダー平等に反する表現は言い換えを

 

この春入社した新入社員は、多くがZ世代です。ある調査によると、Z世代に対し「SDGsの17のゴールの中で、日本がより力を入れていくべき課題は何か」という質問をしたところ「ジェンダー平等の実現」が1位になったそうです。おそらく、他の世代以上にZ世代はジェンダー平等への意識が高いといえます。ジェンダーへの配慮が足りない表現は改めるよう心がけましょう。

たとえば男性社員に対して「男らしく」「男たるもの」と呼びかけることや、女性社員の紹介で「男勝り」「男顔負け」のように表現するのは、男性優位社会を前提とした表現なので使用をやめるべきです。

 

また職業名にも要注意。男女で区別する必要がないにもかかわらず「男」を意味する言葉が用いられている場合は、今後言い換えていく必要があるかもしれません。

例:

営業マン → 営業担当者

ガードマン → 警備員

受付嬢 → 受付係、レセプショニスト

 

「OL」「キャリアウーマン」といった呼称も、本来は男女で区別する必要がないにもかかわらず、女性であることを強調しているため望ましくないとされます。「会社員」「職員」「ビジネスパーソン」といった呼称を代わりに用いましょう。

 

 

最近の新入社員が重視するもののひとつが「心理的安全性」、すなわち「安心して意見を言い合うことができ、自分らしくいられる」と感じられる環境であるかどうかという点だといわれます。新入社員の不安を取り除き「頑張ろう!」と前向きな気持ちになってもらうためにも、掲載内容だけでなく表現や言葉にも心配りを忘れないようにしましょう。

 


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ディレクター:今枝
花粉症です。鼻をかみすぎて真っ赤です。花粉さえなければ春ほど気持ちいい季節はないのに!